14nmから10nmへ・・・
ムーアの法則という言葉を聞いたことがあるでしょうか?CPUはこのムーアの法則に従って発展してきたと言われています。
一体どんな法則で、今後CPUはどう進化していくのか。今回はムーアの法則と10nmプロセスの登場についてまとめます。
ムーアの法則とは?
ムーアの法則とは、Intel創業者のひとりである、ゴードン・ムーアが提唱した法則です。1965年、ゴードン・ムーアは論文で次のような内容を提唱します。
「半導体は18か月から24か月ごとに集積率が2倍になる」。半導体はウェハーの上にトランジスタをいくつ搭載できるからで、性能が決まってきます。ゴードン・ムーアはこのトランジスタ搭載数が18か月ごとに倍増すると提唱したのです。
50年以上も前の説ですが、その後半導体は、ほぼこの内容に沿って進化してきました。実際、Intelga1971年に発表した4004マイクロプロセッサーはトランジスタ数2300個でしたが、2008年のCore i7では7億7400万個に達しています。
増加分を年数で割ると、単純に約25か月ごとに2倍になっていることになり、ムーアの法則が実証される結果となっているのです。
崩れ始めたムーアの法則。微細化が限界に?
しかしここ数年、CPUはムーアの法則というレールを外れたと考えられています。14nmプロセスに移行してからというもの、それ以上の微細化の目途が立たず、集積率は微増にとどまっています。
これは技術的な限界が近いことを表しており、今後10nmプロセスや7nmプロセスが一般社会に登場するまでには、ムーアの法則を上回る時間が必要だと考えられているのです。
また、性能についても微細化したわりには、向上しない…という微妙な段階にさしかかっており、今後CPUの進化がどういう方向へ向かうのか注目が集まっています。
10nmプロセス時代はいつ到来するのか?
Intelが公表している計画では、2017年後半に10nmプロセスの「Canon Lake」を製造する予定だとしています。
また、2017年の初頭には既存の14nmプロセスの延長上として10nmプロセスのCPUを使ったデモ機も公表しました。
となると、そろそろ10nmプロセスのCPUがその姿を見せ始めてもおかしくありません。2017年の年末には、Intelが大攻勢をかける可能性すらあります。
14nmプロセスに移行してから早3年。24か月というムーアの法則のルールからはやや外れたものの、CPUがまた一段進化する時は遠くないでしょう。